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執事で迷子(17)

執事で迷子5

 
 羽純はしかたなくキリンのぬいぐるみを後ろに乗せて、「早く発進して」と佐藤に指示した。
「はい。坊ちゃん。でも」
「いいから! ああっ。靴屋八時に閉まっちゃうじゃん」
 と腕時計を確認する。
「……」
 佐藤はムスッとしたまま、車を発進させた。何か言いたそうだけど、我慢しているようだ。
「執事。なにその顔」
 
「坊ちゃんって冷たいですよね」
「は!!?」
「だって、キリンを捨てろなんて!」
「執事が嘘つくからだよ。しゃべるわけないじゃん」
「しゃべったんです」
「じゃあ、名前はなんての?」
 羽純が後ろのキリンに聞く。

 シーン。

「しゃべんないじゃん。執事のばか」
「ばかじゃありませんし!」
 二人は車中でケンカし出した。
「坊ちゃんがそうやってはなから信じないから、キリンさんだって口をつぐむんでしょうが!」
「そもそも執事がちゃんと道を覚えてないから!」
「それは関係ないですしー」
「執事のアホ」
「はぁぁぁん!?」


 
「奈那子と申します」


「執事、僕騙されないからね」
「何がですか?」

「奈那子と申します」

「……っ?」
 羽純が振り返ると、キリンが座席に座りながら、お辞儀していた。
「ワタクシ、奈那子です。本日はお世話になってしまい申し訳アリマセン」
 キリンは微笑んだ。手も(前足?)もきちんとそろえている。睫毛が長くて、乙女の様子だ。

 てゆーか。
 ええええええええええええええ――?

「ほ ら ねー!」
 佐藤が得意げに声のトーンを上げる。
「奈那子ちゃん。すぐ街まで送ってあげますからね」
「有難う。黒服のイケメン様」
 とキリンが答える。
 ぬいぐるみってしゃべるんだ。妖精? お化け? もしかして動物だったのかな?
 羽純はこの状況化でも冷静だった。

 もう僕街まで行ければなんでもいいや。うん。靴屋にさえ行ければいい。キリン。それまでガンバろ…。


 街に着いたらもっと大変!
 つづく

 (3/28)


   

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