お屋敷ブログ

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執事で迷子(17)

執事で迷子13

 


 ぴいぴいぴいぴい
 ぱたぱたと小さな羽を広げ、親鳥を探すヒナ。その大きさ、羽純と同じぐらい。
 巨大な赤ちゃんに、羽純は呆然とした。
「ど、どうしよう……」
「ぴぃー」
 まだ目が半分しか開いてない鳥のような姿の恐竜赤ちゃんは、巣の中を動き回る。
「あっ。危ない!」
 羽純がヒナ鳥(?)を押さえる。ヒナは巣から落下しそうになったのだ。羽純は必死で足を掴んだ。
「び、びぃぃぃー」
「もうちょっと! 重っ」
 引っ張りあげると、ばたばたと羽を動かし脅えているようだった。羽純は頭を撫でてあげる。
「もう大丈夫だよ」
「ぴい…」
 うっとりした黒目で羽純を見つめるヒナ。
 ずいぶん人間みたいに聞き分けの良い鳥だ…。と羽純は思った。
 なんか可愛い。
「ピー助」
 全世界が「ドラえもんか!」とツッコンだその時――、
 どん! と巣が揺れた。
「ぴいいいいいいい」
 巣の周りがハゲタカに取り囲まれていた! ハゲタカは旋回して巣の周りをつつきまくる。
「うわぁっ。揺れる! うぎゃっ」
「ぴー」
 もうダメだ――。
 グワーッ
 巨大な親鳥が登場し、ハゲタカをあっと言う間に蹴散らした。
 そして巣に降り立つ。
 黄色い目でギロリと羽純を見る。
 ついに食われる!? し、執事助けてぇ――。

 **

 雨がやんだばかりなので、虹が出来ていた。
 佐藤は砂漠をひたすら歩く。
「高いところから見たら、あっちから流されたみたいなんですよね~」
 手を目の上でかざし、遠くを見つめる。
 気がかりなことはひとつ……。
「坊ちゃん…」
 自分の不注意(?)で羽純をサバンナに連れてきてしまった。
 あのキリンをひいたせいだ。いや、あのキリンは自分からぶつかってきたのだ。それは間違いなく。
 ただ。放っておくことができなかった。
 キリンはどうしても故郷に帰りたかったのだ。
 でもなぜ? 
 私を利用した――。
「虹…」
 どこかで見たあの虹を。
「!」
 虹のふもとにキリンがいた。虹に上ろうとしている。
「待って下さい! ここから帰して下さいッ」
 ぶんぶん手を振り回し、佐藤は砂漠を全力疾走した。
 

 つづく

 


   

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