お屋敷ブログ

スポンサー広告

スポンサーサイト

 
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。



*Edit
   

コスプレ大会事件簿

コスプレ大会事件簿6

 


 佐藤がマラソン大会に出場を決意した同時刻。
 万里鈴が極秘に青森に到着していた。
 実は万里鈴、マラソン大会のイベントの特別ゲストとして参加することになっていたのだった。
 一番素晴しいコスプレをした者に、賞を与えるという重要な仕事だった。
 まったく売れていない頃お世話になったイベント関係者との約束で、この仕事を引き受けたのだ。
 事務所からは止められたが――。
 昔、営業でお世話になった関係者との約束を破るなんて、万里鈴は出来なかった。その人達のおかげで今があるのだから。少ない休日を返上しても、やって来たというわけだ。
「万里鈴。この控え室で待つように」
 と、マネージャーから言われ、競技場にある部屋に待機することになった。

 万里鈴はドラマの台本をチェックする(ここにまで持ってきている)
 数分後、携帯の待ちうけを見て、疲れきった心を和ませた。
 そこには――ドラマの待ち受けが。
「ふふ。ご主人様×執事の久遠さん…。素敵…」
 
 *しつこいようだが、「ご主人様×執事」とは、女子に人気のBLマンガである!(実際には無いよ)

 万里鈴の出演しているドラマは、このマンガを原作としてアレンジした、『ご主人様×執事~恋の悲劇~』というタイトルなのだ。ドラマなのでBL臭はカットされている。
 その執事役、久遠という俳優に、万里鈴は恋しかけていた。
(カッコイイ……久遠さん)
 役柄にのめり込んでいるせいもあって、(万里鈴の役どころは執事を誘惑する女性)もう執事姿の久遠をカッコイイとしか思えないのだ。
「万里鈴、出番だ」
「はい」
 マネージャーに呼ばれ、万里鈴は携帯を慌てて閉じた。

 **

 パンパカパーン!
 競技場に陽気なラッパが鳴り響く。
 コスプレ会場にいた佐藤とスージーも、ここにやって来ていた。もちろんコスプレ姿だ。
「それではー、開会式を始めます」
 司会の有名っぽいDJがステージに上がる。
「ここで特別ゲストです! 女優の万里鈴さん!」
 観客がどよめいた。段上に赤いドレス&ロングでカールした髪をなびかせながら万里鈴がさっそうと現れた。
「万里…鈴んん~!!!!」
 佐藤は呆気に取られた!
 坊ちゃんが会いたくてどうしようもない万里鈴がなぜここに!? 
「ほほほ…」
 スージーは知っていたのか、微笑んでいる。たぶん坊ちゃんは知らないだろう。知ってたら自分も来るはずだ。なんて偶然だ。
「このマラソンは完走すると、リンゴがもらえます。さらに」
 DJが万里鈴を見る。
「皆さんの中から、素敵な走りをした人に、マリリン賞を…っ」
 万里鈴は説明している途中、佐藤を見つけて言葉につまった。そして目を見開く。

 なんてこと!!!!

「万里鈴さん、私を見ている…? 美形だからでしょうか」
 佐藤がポカンとする。
「ふふ……。これはいい。万里鈴さんは執事に今ハマってるので」
「え?」
「マリリン賞、狙えますねぇ…?」
 スージーはあごを撫でながらニヤリと笑った。

 そしてマラソン開始の時刻となった。
「あの~スージーさん」
「はい?」
「このマラソン、何キロ走るんですか?」
「これは普通のマラソン前のデモンストレーションみたいなやつなので、三キロです」
「三キロ!?」
 そんなに短いなら…全力でならいけるかも!? と佐藤は周りを見渡す。
 コスプレ参加者は、早く走ることを目的にするのではなく、楽しむために来ている人が多い。トトロのコスプレなんかは重くて走りづらそうだ。
 ――優勝…いける。
 坊ちゃん、フィギュアをゲットして帰りますからね。
 佐藤は確信した。

 **
 
 万里鈴はスタート地点にスタンバイしながら、思っていた。
(あれは…執事のコスプレ!? 芸能人かと思うぐらいのオーラがあったわ。何者…?)
 佐藤が気になってしょうがなかった。自然と探してしまう。
 
 そして、全員がスタート地点に集まり、
「よーい、スタート!」
 ピストルの音が鳴り響いた。


 つづく


   

~ Comment ~

管理者のみ表示。 | 非公開コメント投稿可能です。
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。