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鳥かごのお姫様(8)

鳥かごのお姫様1

 



 ジリジリジリジリジリ――。

「お嬢様!」
「……ん?」
「お嬢様! 朝ですよ!」

 繭美がベッドの上で目を覚ます。ベッドの横で、佐原が布団やクッションを抱えてながら急がしそうに走りまわっていた。
「どうしたんですか。いつも目覚ましより早く起きて勉強なさっているのに!」
「んー、ちょっと夢を見てて……。どうしちゃったのかしら私」
 目をこする。なんだか頭が重い。
「こっちが聞きたいですよー。さ、洗濯洗濯! パジャマこっちに出しておいて下さいね」
 佐原はさっさと部屋を出て行った。
 私、なんだかまだ夢の中にいるみたい。
 枕の横には本が置いてあった。
「こんな本読むからだわ」
 それはファンタジーの本だった。内容は……。

「鳥かごのお姫様」
 その昔。鳥のように美しい声で歌うお姫様がいました。姫が歌えば花が咲き、太陽が照り、作物が実り、まさに天使の歌声でした。
 人々は皆、姫を慕い愛していました。
 しかし、予期せぬことが……。
 姫が十四才の時、恋をしたのです。
 その相手は城の家来でした。姫と家来、当然恋が実るはずはありません。
 しかも姫の歌声は恋が募るほどに悪くなってゆきました。
 姫は、早いうちに歌声か恋かを選ばなければならないと思いました。
 姫は歌声を選びました。やはり国民を裏切ることは出来なかったからです。国一番の魔法使いに会いに行って、恋を諦める薬を買いました。それしか方法がないと思ったからです。自分の弟は止めましたが、姫は薬を飲んでしまいました。
 これで姫は恋を捨て、歌声を復活させることができる……。
 しかし悲劇が待っていたのです…! 
 城の者が姫が歌えないことに怒り、家来を処刑したのです。
 姫はショックのあまり声を失ってしまいました。
 これが薬の効果だったのです。恋を諦める、とは、相手の死を意味していたのです。
 歌えない姫は人々から愛されることはありませんでした。
 昔のように鳥のような声になるようにと、王様は姫を鳥かごに閉じ込めました。
 すべてから見放され、姫は生きる気力を失ってゆきました。ただ家来が忘れられず、家来のことばかり考える日々。
 何年が過ぎたでしょう。
 王様が鳥かごを覗くと、一枚の羽が落ちているだけで、姫の姿はありませんでした。
 
 おわり

 それが鳥かごのお姫様の内容の全貌である。

 この童話のメインはもちろん家来と姫の恋である。家来は貧しい家の出だが、超イケメン。
「憧れるわぁ」
 と繭美はベッドに寝転がる。もし鳥かごの姫を劇でやるなら。
「もちろん私は姫よねー」
 そして家来は……。
 すると、本がカッと光り出した。部屋中が光に包まれる。


 さあ、冒険(?)の始まり!
 つづく






   

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