お屋敷ブログ

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恋の悲劇(8)

恋の悲劇1

 
「紅茶飲みますか?」
 午後三時。ひろしが紅茶を入れるために俺の部屋に入ってきた。俺は机で勉強中だった。
「うん。頼む」
「明澄様はアールグレイがお好きなんだっけー」
 と、ひろしは紅茶の缶を開けた。
 俺はじっとそんなひろしを観察した。

 長い手足。長い睫毛。女みたいにキメ細かい肌。黒髪がさらさらと。うーん。やっぱり、認めたくないけど……。
「美形…」

「はい。美形ですけど?」
 と言いながら、ひろしはティーカップをこちらに渡してきた。
「き、聞いてたのか?」
「はい」
 
 なぜ聞こえたんだろう。すごく小さい声だったのに。
 ひろしは当たり前のように自分を「美形」と言う。それが間違いなく美形なのだから、こちらも当然腹が立つというもの。ここはいっちょ、容姿の欠点を見つけたい。
「ひろし!」
「はい?」
「ちょっとそっちに立て」
「?」

 俺は背中合わせになってひろしと背比べしてみた。壁の鏡で確認する。
「やった!」
 俺の方が一センチは背が高い。
 それに気がついたひろし。
「ちっ」
 と舌打ちしてくる。
 ひろしが中学生の時にここに来た時は、結構差があったので油断していたのだろう。
「へーっ。勝ったー!」
 やっと見た目で勝てるものが見つかった。
「明澄様のくせに。くそーっ」
 こぶしを握って、ぴょんぴょん飛び跳ねてものすごく悔しそうなひろし。ふふふ。絶対追い越されるわけがない。ひろしは成長期を過ぎている。俺はまだまだ伸び盛りぃ!
「ばーか」
 俺はさり気なく言っておいた。



 それが……大変な悲劇の幕開けだとも知らず……。

 つづく




   

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