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お屋敷ブログ

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執事と天使

執事と天使1

 
 
 ある日の午後。繭美が佐藤を厳しく注意した。
「佐藤! 今日は廊下を走り回ったり、変な声あげたりしないでよ?」
「え? なんでですか?」
 長い廊下をローラースケートで爆走しているところを、佐藤は振り返った。
 繭美が長い髪を逆立てながら、腰に手を当て、すごい表情をしている。これはまずい。
 この屋敷でキレやすい人ランキング第三位の繭美に、佐藤はやや怖気づいた。
「あ…すいません」
 迫力に負けて謝ってしまった。ローラーを手に持つ。

「あのねぇ。今日は従姉妹がくるのよ」
「イトコ?」
「ええ。女の子で、名前はキリアちゃん」
「お嬢様ってイトコいたんですか?」
「いるわよ。一歳年上」
 佐藤は頬を引くつらせた。それを見て繭美は首を捻る。
「何よ?」
「いえ、お嬢様そっくりだったら(嫌だな)と」
「そっくりよ」
「――っ」

 
 佐藤は風呂敷に最低限の服をつめて、逃げる準備をしようと思った。

 ピンポーン

「はぁーい」
 繭美が玄関に駆けてゆく。扉が開くなり、ぽーんと人が飛び出してきた。
「おっひさー!」
「きーちゃーん!」
 繭美にキリアが飛びついた。あまりの勢いに繭美がぐらつく。
 キリアが着ている白いロングコートのすそが舞い上がる。
 佐藤はその様子をホールの隅で見ていた。
 ボーイッシュなショートカット。顔立ちは繭美と羽純を混ぜたような、ハッキリ系。明澄とは似ても似つかない。髪型に頼る必要のない、美人だった。
 スレンダーな体つき。背も繭美より高い。母方のいとこなのだろう。
 とにかくお嬢様ぱーと2だけは勘弁。と佐藤は思った。
 はやく……部屋にでも逃げなきゃ。

「この屋敷は五年ぶりね!」
 とキリアが言う。
「そうね。何気にそれぐらいになるわねー」
 
 ま・なんだかんだで来ないように仕向けてたのは私だけどね……。
 と繭美は言いそうになって口に手を当てた。
 おばか佐藤を見せるわけにはいかないから、極力遊びは外に誘っていたのだ。
 しかし今回は事情が違った。

「で、キリアちゃん。大事な話って何? 私にしか頼めないって」
 急にキリアは深刻な顔になった。
「えっとね……」


 
 その相談、確実にトラブルが起こります
 つづく



   

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