お屋敷ブログ

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コスプレ大会事件簿

コスプレ大会事件簿4

 
 
 そんなこんなで佐藤は青森に到着した。
「ふぅー。まずはラーメンでも食べて…。あっソフトクリーム! 青森名物のりんごが売ってる~♪」
 ……。
 はしゃぐ佐藤。
 お前、何しに来たのだ??

 
 その様子を観察していた人物がいた。
「ほう、セバスのコスプレか」
 ニヤリと笑う。
「なかなかのツワモノよ……」

 
 佐藤はなんとかコスプレ会場に到着した。物産館の横に会場はあった。
「ふぅ~。人が大勢いますねー。ここにスージーさんも来ているみたいですけど、どう探せば……」
 人ごみの中を闇雲に歩く佐藤。
 しかし、ここで佐藤の本領が発揮された。
「かっこいいー」
「芸能人?」
「美形ねぇ」
 いつの間にか自分が注目の的になっていることに気がつくのに、時間はかからなかった。
 やはりこの佐藤ひろし、ただ者じゃない(←佐藤の心の中の独り言)

「君、もしかして佐藤さん?」
「え?」
 そこにいたのは、赤いマントに身を包み、赤いカツラをした三十代ぐらいの男性だった。
「……っ」
 佐藤は息をのんだ。
 こやつ……上手い。あのキャラになりきっている! 生地の仕立てからメイクからカツラからすべて上級者だ。恥ずかしさが微塵もない。何よりもキャラを愛している。
 その格好を見て一目でコスプレにかける情熱を見抜いた佐藤(なんでわかる??)
「あなたは…スージーさんですね」
「よくわかりましたね」
 とスージーは笑う。
「だって、そのキャラをやるとブログにありましたから」
 スージーは佐藤を頭から足先まで観察し、
「あなたも人目でわかりましたよ。日本一の美形が目印とありましたが、まさか本当とは」
「そうです……」
 そうだ。目的を忘れるところだった。
「スージーさん。フィギュアを譲ってくれる気はないとのことでしたが」
「ええ。残念ですが渡す気はありませんよ。なぜなら」
「万里鈴さんの信者だからですね?」
 スージーはこくりと頷いた。
「ええ。私はまだ彼女が売れてない頃から追っ掛けをやっていました。最近売れ出して人気が出るのは嬉しいですが、寂しさもありましてね。その頃に万里鈴の価値をわかっていなかった者に、あのフィギュアを売ることは絶対にありません」
「……フィギュアを欲しがっているうちの男の子は、昔から価値をわかっていましたよ。かなり前のグラビアの切り抜きを持っていましたから」
「そうですか。しかし大切なフィギュアを売ることはできません」
 スージーはきっぱりと言った。
「どれだけ積まれてもですか」
「お金じゃないんです」
 ……やはりダメか。
 予想したとおりスージーの決意は揺るがなかった。
「しかし……」
 スージーはある提案をしてきたのだ。


 一方、西園寺家。羽純の部屋にて。
「佐藤が青森に行ったぁっ!?」
「まじかよ」
 繭美と明澄が羽純から事情を聞き、呆気にとられていた。
「あいつ、昨日からいねぇなーと思ってたけど、青森まで行ったのかよ」
 明澄が頭をかいた。
「はーちゃん。なんで佐藤を止めなかったの?」
「……」
 羽純はぷいと机に向かった。
「もー。はーちゃん。佐藤がまともにフィギュア譲ってもらえるわけないじゃない。大事なフィギュアを壊されてつらいのはわかるけど、わざと踏んだわけじゃないでしょ? それぐらい許しなさいよ」
 繭美の言葉に羽純は耳をピクリと動かす。
「わざとじゃない?」
「ええ」
「執事ムカつく! 踏んづけといて僕のせいにした」
 羽純が思い出したのか眉間にしわを寄せた。
「青森まで行ってばーか。フィギュアなんて100パーセント譲ってもらえるわけ…」
「100パーセント? なんで言い切れる?」
 明澄がそこに気がついて羽純に問う。
「えっと、だって…」
「羽純、何か隠してねぇか?」
「ぅ…えっと」
 羽純が急に下を向いてもじもじし出した。
「羽純! 言いなさい!」
 と、繭美が言った。
「……だって、ホントはフィギュアなんてっ」



 羽純が隠していることって?
 つづく

 
 


   

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