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お屋敷ブログ

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恋の悲劇(8)

恋の悲劇5

 

 ひろしと俺と美里は、屋敷の廊下を歩いていた。
 ジャンケンにより、俺が先行となったので、目的地まで歩いているのだ。

 俺はひろしに勝とうと思えば勝てる自信が、わずかながらにあった。
 なぜなら――。
 ひろしは美形だがアホだ。どこかで必ずボロを出す。
 俺は負けない。
 美里さんが屋敷のセキララな情報を知りたいのなら、もうあそこしかない。

「さ、着きました」
 俺が三階のある一室の前で止まる。
「ここは?」
 と美里が怖がった表情をした。
「ここは屋敷唯一の神聖な名所。真実の鏡の間です」
「――真実の鏡?」
「うわきも」
 すかさずひろしが茶々を入れるが、俺は奴のくるぶしを思い切り蹴った。
「っ」
 ひろしがくねくねと身をよじるうちに、俺は説明を始める。
「ここは母さんが有名な占い師を信じて作った風水的にもあれな感じの、まあいわゆるパワースポット的な場所です」
「へ、へぇぇぇえぇー」
 美里が手を組んで目を輝かせ始めた。
「素敵ぃ。私もパワーげっとぉ?」
 ――しめた。
 女の子は占いが大好き。へへっ。俺だってそんぐらいわかるんだよ。
「ばーか」
 と俺はひろしにさりげなく言っておいた。
「……真実の鏡の間ってぇ」
 とひろしが俺の肩をがしっと掴み、美里に聞こえないように呟く。
「美形の私が入るのはいいですけど、明澄様が入っちゃまずいんじゃないですかー?」
「は? なんでだよ」
「だって明澄様の認めたくない真実の顔が映ってしまうじゃないですかぁ」
 
 ザシュッ!

 扉に血しぶきが飛んだが、そんなことはどうでもいい。
「さ、美里さん。行きましょうか」
 俺は手招きした。
「はぁいっ」
 美里は嬉しそうだ。

 真実の間の扉を開ける――。暗い空間。
 二、三歩行くと、ぱっとライトがともった。
 そこにはドクターパルナサスの鏡に出てくるアレのような銀の垂れ幕があった。
「なんだか、とぉってもすがすがしい香り」
 美里はうっとりしていた。
「ここにはパワーが集まっていると母さんが言ってました。願いが叶うとも…」
「願い……」
「美里さん、何か願ったらどうです? この屋敷のこの部屋は滅多に開いてないので貴重ですよ」
 この部屋の鍵が手に入ったのは幸運だった。メイド長の貴堂が特別に貸してくれたのだ。
「うーん。願いですかぁ」
「この垂れ幕の奥の鏡の前で願うといいですよ」
 そうだ。貴重だから、俺も何か願っておこうかな……。
 そう思った瞬間。
「明澄様の願いはただひとつですよね。顔が今よりも美」

 ザシュッ!

 ひろしが床でピクピクしていたが、俺は無視して美里を鏡の前に連れて行った。
「さ、なんでもどうぞ」
「じゃあ……私の願いは…」


 
 美里の願いは?
 つづく



   

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