お屋敷ブログ

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鳥かごのお姫様(8)

鳥かごのお姫様6

 

「確か、このあと家来と姫は恋に落ちる筋書きなのよね」
 と、繭美が恥ずかしそうにぽつりと言うと、佐藤は笑顔になった。
「よかった。それなら確実に起こり得ないですね」
「…………」
 どういう意味よ??
「とにかく! 城は爆発炎上しました。ここは危険です」
「なんとか元の世界に戻らないと」
「それなら、魔法使いになんとかしてもらいましょうよ」
 佐藤の提案はなかなか良かった。そういや、魔法使いって出てきたわね。
「じゃあ、行きましょ」

 二人は森の中に入った。
 そしてすぐに魔法使いの家へと到着。おかしで出来た家だった。
「はぁ。むしゃむしゃ」
「ちょーっ! 食べてんじゃないわよ! 佐藤」
 佐藤は壁のクッキーを食べていた。
「はーうまっ」
 繭美はおかしいと思っていた(お菓子だからおかしいというシャレじゃなく)
 おかしの家なんてこの本に出てきたっけ?
「あら……お客さんかしら」
 と、家から出てきた杖を持った魔法使いのお姉さん。
「あの、間違ってこの世界に入ってしまったようなんで、戻してくれませんか? むしゃむしゃ」
 佐藤は不躾にもいきなり質問し、しかもチョコレートを口に含んだままだった。
「元の世界に戻りたい……。なるほど」
 と、魔法使いの美しい女性は怪しい笑みを浮かべた。長ーい髪を揺らしながら佐藤に擦り寄ってくる。
「うふふふふふ。可愛いわ……。おかしの家でもっとおいしい物を食べさせてあ・げ・る♪」
「え? おいちーものですかぁ」
 佐藤はこくりと頷い…
「ダメ――――ッ!」
 繭美が佐藤の頭にミラクルチョップを炸裂させた!
「ぐはぁ!」
「私達、元に戻らなくて結構です!」
「ふふ…。ならこれを持っておいき」
 魔法使いのお姉さんは、残念そうに、小瓶を渡して家に入っていった。
 繭美は死んだ佐藤の腕を引きずって、おかしの家をあとにした。
 数分後。
 木陰で休む二人。
「お嬢様。何怒ってるんですか?」
「まったく……油断も隙もあったもんじゃない」
 ところでさっきの小瓶ってなんだろう。
 ポケットから取り出す。ガラス瓶の中にはピンク色の液体が入っていた。そしてラベルに「恋が叶う」の文字。
 ――恋が叶う!?
 繭美は佐藤をちらりと見た。
 佐藤はいつもと違う顔で、むにゃむにゃ言いながら寝ていた。
 恋が叶う恋が叶う恋が叶う
「飲んでみよっかな♪」
 キュッと瓶を開けようとした時、
「姫様ぁー! ここにいらしたんですか姫様ー!」
 男の子が駆けてきた。手にはくわを持っている。近くの畑から来たようだ。
「姫様っ。歌ってもらえませんか? うちの畑の花が咲かなくてー」
「え? そんな効果もあんの? 歌に」
「頼みます! 歌って下さい!」
 あまりに男の子が泣きそうなので、仕方なく繭美は息を吸い込んだ。
「……っ」

 声が出ない――!!

「姫様? どうしたんですか?」
 男の子が白目になっていた。
「だらららぁぁ~ってうだえないの゛」
 繭美、完全にスナックのママになっていた。
「大変だーっ! 姫様が声を失ったー!」
 ちょっと、そんな大声で報告しなくても……。
 なんて思っているうちに、多くの民衆が繭美と佐藤を取り囲んだ。
「歌えない姫なんて姫じゃないっぺ」
「ないっぺ!」
「許さんぜよ」
「んだべ?」
「死刑だっぺぇ」
 この人達どこ出身なの――――!?
 繭美は話の内容よりもまずそこにツッコんだ。しかし、内容もかなりまずい。
「あの。お嬢様……死刑とか言ってますけど?」
 うそでしょぉぉぉっ


 つづく


   

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